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予感

父が永眠いたしました。




23日の午前2時頃、母から連絡をもらい、病院へ駆けつけ、父と会ってすぐの出来事でした。



母は姫と小姫がいることですし、父は何度も危なくなりながらも、持ちこたえていた事もあり
連絡することを迷ったらしいのですが、弟の勧めで電話をしてくれました。

人間ってすごいもので、自分でどんなに早起きしようと目覚ましをかけても
聞こえなかったり、起き出すまでに数十分かかったりしていたのに
このときばかりは1コールで目覚め、ハッキリと受け答えすることができるのですね。

姫と小姫は夫に託し、迷うことなく病院へ駆けつけました。


外は小雨が降っていました。

TVで週間天気予報を見たとき、一日だけ雨の日がありました。

先日、薬で眠った父がもう目覚めることは無いと、そして、
そう長く眠ってもいられないと聞かされていたので、この雨に何か予感していました。


私が到着するまでは、相変わらずの容態で眠っていたらしく
またこのまま朝を迎えるのだろうと、母も兄も弟も思っていたようです。

なんとなく私もそう思いました。


父の手を取り、こみ上げてくるものを必死に抑えていると
心拍、血圧、呼吸・・・・モニタ上のあらゆるサインの数値が下がっていきました。
慌ててナースコールをし、看護師さんが来てくれましたが
あれよ、あれよという間にモニタから音が消えました。

私が病室に来ておよそ10分後、先生がその確認を取りました。



静かで、あっさりと穏やかに旅立って行ったように思います。


母はしきりに『私を待っていたんだね』と言います。
昏睡状態の父に何が伝わったのか、人間ってホント、時々理解を超える事が
おきるのですね。




父と私は不器用な親子でした。

親子として上手く向き合ったり、笑い合ったり出来ませんでした。

私がここまで育ててもらって、私は父に何を返せたでしょうか。
親孝行と呼べるものは何一つ出来ませんでした。

唯一つ、
他人の力を借りて、姫と小姫という孫を持たせてあげられたことでしょうか。


姫を連れて実家に遊びに行くと、いつも姫のジュースやフルーツを用意していてくれました。
姫は『〇〇が好き』というとそればかり買ってきて、母と苦笑しました。


小姫を出産して、2ヶ月あまり実家で過ごした時は
毎日姫とならんで水戸黄門を観て、その後、愛犬と3人で公園まで散歩し、
鉄橋で姫の好きな電車を見て帰ってきていました。


もっとそんな時間を過ごさせてあげたかった。



いつか、小姫が『じぃじ』と言うのを聞かせてあげたかった。




母と、兄と弟と、みんなで一緒に病院から帰って来て、仏間に眠る父は
居間のソファでTVを観ながらうたた寝していたときと同じ顔で、
『寝るんならTV消しなよ』と声をかけると、今にも起きてきそうです。


でも、もう2度と起きてはきてくれないのです。


知らせを受けてから、近くこの日が来るというのはわかっていたのに
なんだか今日の出来事は、夢を見ていたようで
未だに現実を受け入れることができません。




もっと、ちゃんと向き合ってこればよかった。
もっと、笑い合ってこればよかった。
時間はとてもたくさんあったのに。
by emily0805 | 2012-02-23 23:39 | Family
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